日本とアジアの健康寿命を比べてみました
「平均寿命」と「健康寿命」
日本人の場合:
- 平均寿命:約85歳
- 健康寿命:約74歳
- 差:約11年
この「約11年」は、介護や病気と向き合いながら過ごす可能性がある期間です。この期間をできるだけ短くすることが、これからの大きな目標なのです。
アジアの国々と比べてみると
最新の研究データから、アジア主要国の寿命を比べてみましょう。[1]
アジア各国の平均寿命と健康寿命(2021年)
| 国名 | 平均寿命 | 健康寿命 | 差(不健康期間) |
|---|---|---|---|
| シンガポール | 85.7歳 | 75.0歳 | 10.7年 |
| 日本 | 85.2歳 | 73.8歳 | 11.4年 |
| 韓国 | 83.2歳 | 72.1歳 | 11.1年 |
| 中国 | 77.6歳 | 68.6歳 | 9.0年 |
| タイ | 76.3歳 | 66.5歳 | 9.8年 |
| ベトナム | 74.0歳 | 65.6歳 | 8.4年 |
| インドネシア | 69.5歳 | 61.6歳 | 7.9年 |
この表から分かること:
- 日本、シンガポール、韓国が寿命も健康寿命も上位
- でも、「不健康な期間」は10~11年程度あり、さらに短縮の余地がある
なぜ日本は長寿国なの?
日本が世界でもトップクラスの長寿国である理由は、いくつかあります。
1. 充実した医療制度
日本には「国民皆保険」という仕組みがあり、誰でも必要な医療を受けられます。定期健診やがん検診も普及していて、病気の早期発見がしやすい環境です。
2. バランスの良い食生活
- お魚、野菜、海藻、大豆製品など
- 発酵食品(味噌、納豆、漬物など)
- お茶を飲む習慣
これらの伝統的な和食スタイルが、心臓病や糖尿病のリスクを下げてきました。
3. 清潔で安全な環境
きれいな水道水、衛生的な食品管理、整った公共インフラ。こうした「当たり前」の環境が、実は健康を守る大きな土台になっています。
4. 歩く習慣
日本人は比較的よく歩きます。車社会の国と比べて、日常的に体を動かす機会が多いのも特徴です。
でも、安心してはいられません
日本の長寿は素晴らしいことですが、実は新しい課題も出てきています。
- 食生活の欧米化:ファストフードや高カロリー食の増加
- 運動不足:デスクワークやスマホの普及
- ストレス社会:仕事や人間関係のプレッシャー
- 地域による医療格差:都市と地方の医療サービスの差
こうした変化によって、これからの世代は「健康寿命」が延びにくくなる可能性もあるのです。
私たちにできること:健康寿命を延ばす5つの習慣
では、私たち一人ひとりができることは何でしょうか?
① 定期的な健康チェック
年に1回の健診やがん検診を必ず受けましょう。早期発見が何より大切です。
② バランスの良い食事
和食の良さを見直しましょう。野菜、魚、大豆製品を意識的に取り入れましょう。
③ 適度な運動
1日30分程度のウォーキングでOK。エレベーターではなく階段を使うなど、小さな工夫をしましょう。
④ 社会とのつながり
家族、友人、地域との交流を大切に。孤立は心身の健康リスクを高めます。
⑤ かかりつけ医を持つ
気軽に相談できる「かかりつけ医」がいると、小さな体調の変化から病気を早期に発見できる可能性が高くなります。
まとめ:「健康に長生き」を目指して
日本は世界に誇る長寿国ですが、大切なのは「何歳まで生きるか」ではなく「何歳まで元気でいられるか」です。
健康寿命を延ばすために、今日からできる小さな一歩を始めてみませんか?
- 今日の夕食に野菜を一品増やす
- 一駅分歩いてみる
- 健診の予約をする
こうした小さな積み重ねが、10年後、20年後の「元気な自分」を作ります。
当クリニックでは、皆さまの「健康に長生き」をサポートするため、予防医療や生活習慣のアドバイスにも力を入れています。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
参考文献
[1] Luo S, et al. "Trends in life expectancy and healthy life expectancy in the Asia-Pacific region from 1990 to 2021: a systematic analysis from the Global Burden of Disease Study 2021." China CDC Weekly, 2024.

片山クリニック
院長 矢島 秀教
- 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本医師会認定産業医
