🧪 採血結果の読み方 ― 4つのステップで自分の体を確認しよう
健康診断の結果が届いたとき、「数字が多くてどこを見ればいいかわからない」という声をよく聞きます。
①肝臓 → ②腎臓 → ③血糖 → ④脂質の順番で確認することで、自分の体の状態が見えてきます。
このブログでは、ご自身で採血結果を読むことができるように、ポイントを分かりやすく整理しました。
① 肝臓を見る ― AST・ALT
目安:AST・ALT ともに 30 U/L 以下
肝臓の細胞が傷つくと、AST・ALTという酵素が血液の中に漏れ出して数値が上がります。
特にALTは、脂肪肝のサインとして現れやすい項目です。「お酒は飲まないから大丈夫」と思っている方も、食べすぎや運動不足で脂肪肝になることがあります。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、悪化しても自覚症状がほとんど出ません。採血の数値が、体からの数少ないサインです。
② 腎臓を見る ― eGFR
目安:60 以上(mL/分/1.73㎡)
eGFRは、腎臓が血液をどれだけきれいにできているかを示す数値です。
年齢とともに少しずつ下がるのは自然なことですが、60を下回ると慢性腎臓病(CKD)の可能性があります。腎臓も症状が出にくい臓器なので、定期的な確認が大切です。
腎機能が落ちると、むくみ・高血圧・貧血などが起こりやすくなります。また、血糖や血圧のコントロールが悪いと、腎臓にもダメージが積み重なります。
③ 血糖を見る ― 血糖値・HbA1c
目安:空腹時血糖 100 mg/dL 未満 / HbA1c 5.5% 以下
血糖値はその日の血糖の状態を、HbA1cは過去1〜2か月の平均を反映します。この2つをセットで見ることが重要です。
「血糖値はギリギリ正常だったから大丈夫」と思っていても、HbA1cも同時に高ければ、慢性的な高血糖が続いているサインかもしれません。
糖尿病は初期には症状がほとんどありませんが、放置すると目・腎臓・神経に合併症が起き、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。早めに気づいて対応することが、大きな病気を防ぐ第一歩です。
④ 脂質を見る ― LDL・中性脂肪
目安:LDL 140 mg/dL 未満 / 中性脂肪 150 mg/dL 未満
LDLは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、増えすぎると血管の壁に溜まって動脈硬化を進めます。中性脂肪は、食べすぎ・甘い飲み物・アルコール・運動不足で上がりやすいです。
どちらも自覚症状がないまま進行し、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞のリスクにつながります。
血糖が高くて中性脂肪も高い場合は、メタボリックシンドロームが背景にある可能性があります。脂質だけを単独で見るのではなく、血糖や肝機能と合わせて考えることが大切です。
数字はつながっている
採血結果を読むとき、一つの項目だけに注目しないでください。
各項目は体の中でつながっています。「異常があるかないか」だけでなく、「なぜこの数値になったのか」を考えることが、自分の健康を守る力になります。
気になる数値があれば、ぜひ一度ご相談ください。
項目のつながり(例)
→
脂肪肝
→
血糖・中性脂肪の上昇
→
腎機能の低下
一つの数字だけでなく、全体の流れで読むことで体の状態が見えてきます。
4ステップ チェック表
結果を手元に置いて、順番に確認してみましょう。

片山クリニック
院長 矢島 秀教
- 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本医師会認定産業医
