eGFR 60未満は要注意(CKDステージでわかる腎機能低下のサイン)
eGFR(推算糸球体濾過量)は、腎臓がどの程度しっかり働いているかを示す代表的な検査値です。腎臓は血液中の老廃物や余分な水分を尿として排出する「体内のフィルター」。この機能が低下すると、高血圧・むくみ・貧血、さらには心筋梗塞や脳卒中など全身の疾患につながる可能性があります。
近年、高齢化や糖尿病患者の増加を背景に、日本での慢性腎臓病(CKD)患者数は増加傾向にあり、eGFRは非常に重要な指標として注目されています。
Cr=血清クレアチニン値(筋肉量の影響を受けます)
eGFRが60未満の状態が3か月以上続くと、CKD(慢性腎臓病)と診断される可能性があります。
初期段階(G1〜G2)はほとんど自覚症状がないため、「健康診断で初めて指摘された」というケースも少なくありません。
eGFRは加齢によって自然に低下します。40歳頃から年間0.5〜1 mL/分/1.73m²程度ずつ下がるとされており(KDIGO 2024 / Kidney International 2024)、70代で60前後になることも珍しくありません。
年齢別のおおよその目安は以下のとおりです(個人差があります)。
| 年齢 | 平均的なeGFRの目安 |
|---|---|
| 20代 | 100〜110 |
| 30代 | 95〜105 |
| 40代 | 85〜95 |
| 50代 | 75〜85 |
| 60代 | 65〜75 |
| 70代 | 55〜70 |
| 80代 | 50〜60 |
※数値は文献をもとにした概算です。個人差・測定方法による差があります。
「eGFR 60未満=必ず病気」ではありません。重要なのは年齢相応かどうか、尿蛋白・血尿の有無、過去の値との比較を合わせて評価することです。一方で、若い方(40歳未満)でeGFRが60を下回る場合は、腎疾患の可能性を積極的に検討する必要があります。
50代の平均的な範囲内。尿検査に異常がなければ、直ちに大きな問題になることは少ないです。ただし定期的な確認を忘れずに。
加齢の影響もありますが、糖尿病や高血圧がある方は定期的な経過観察が推奨されます。かかりつけ医に相談しましょう。
加齢だけでは説明しにくいレベル。腎臓専門医への相談を検討し、低下速度の確認や原因精査が重要です。
特に糖尿病性腎症は、日本で透析導入原因の上位を占めています。血糖値や血圧を良好にコントロールすることが、腎機能を守る第一歩です。
最近では、SGLT2阻害薬など腎保護効果をもつ治療薬も登場し、CKD治療は大きく進歩しています。
- 「年齢相応かどうか」より「以前より下がっていないか」の変化速度が重要
- eGFR 60未満でも、高齢者では加齢による変化の可能性がある
- 若い世代(40歳未満)で60未満の場合は、腎疾患を積極的に疑う
- 尿蛋白・血尿の有無を必ず合わせて評価する
- 腎機能の低下は一度進行すると回復が難しい。早期発見・早期対処が鍵

片山クリニック
院長 矢島 秀教
- 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本医師会認定産業医
