2026年に再び注目される「はしか(麻疹)」流行|なぜ増えている?症状・感染力・ワクチンをわかりやすく解説
「はしかは昔の病気では?」と思われている方も多いかもしれません。しかし2026年、日本国内で麻疹患者数が急増しており、都市部を中心に集団感染が報告されています。日本小児科学会も注意喚起を出しており、当院でも皆さまにご注意いただきたくご案内しています。
麻疹の感染力はどれくらい強い?
感染力の目安に「基本再生産数(R0)」という数値があります。1人の感染者が平均何人に感染させるかを示します。
- インフルエンザ:R0 = 1〜3
- 新型コロナ(初期株):R0 = 2〜3
- 麻疹:R0 = 12〜18(感染症の中で最強クラス)
⚠ 空気感染も起こります
麻疹は空気感染・飛沫感染・接触感染のすべてで広がります。患者さんが利用した電車の車内や待合室で、その場を離れた後でも感染した例が報告されています。マスクだけでは十分に防げない場合があります。
症状はどう進む?
麻疹の症状は段階的に進行します。初期は「ただの風邪」と区別がつきにくく、最も感染力が強い時期に気づきにくいのが特徴です。
① カタル期(発症後2〜4日)― 最も感染力が強い時期
38〜39℃の発熱、鼻水、咳、目の充血など。風邪と見分けがつきにくく、この時期が最も周囲へ感染させやすい状態です。口の中に「コプリック斑」(白い小斑点)が出ることがありますが、数日で消えるため見逃されがちです。
② 発疹期(その後3〜5日)
一旦熱が下がった後に再び高熱となり、耳の後ろから始まり全身に赤い発疹が広がります。高熱・発疹・体のだるさが強く出ます。
⚠ 合併症のリスク
中耳炎・肺炎・脳炎を引き起こすことがあります。先進国でも1,000人に1人程度が死亡すると報告されており、決して軽い病気ではありません。妊娠中の感染は流産・早産リスクが高まります。ごくまれに数年後に致命的な神経疾患「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」を発症することもあります。
今回の流行、なぜ大人に多いの?
2026年の流行の特徴は、10代〜40代の感染者が中心であることです。背景には2つの要因があります。
背景① 「1回接種世代」の存在
日本のワクチン制度は時代とともに変わっており、年代によって接種回数が異なります。現在は2回接種が標準ですが、一部の世代では1回のみ、または接種歴が不明という方がいます。1回だけでは十分な免疫が得られていない可能性があります。
背景② 海外からの持ち込み
日本は2015年にWHOから「麻疹排除状態」と認定されましたが、これは「国内で流行していない」という意味であり、「海外から持ち込まれない」わけではありません。渡航制限が解除された現在、海外からウイルスが持ち込まれ国内で広がるケースが増えています。
予防のためにできること
最も有効な予防策はワクチン(MRワクチン)の2回接種です。まず、ご自身の接種歴を確認してみましょう。

片山クリニック
院長 矢島 秀教
- 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本医師会認定産業医
