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在宅酸素療法(HOT)とは? 目的・適応・効果・注意点をやさしく解説

[2026.01.30]

在宅酸素療法とは

在宅酸素療法(ぜいたくさんそりょうほう)は、英語ではHome Oxygen Therapy(略してHOT)と呼ばれる治療法で、自宅で酸素を吸入しながら日常生活を送るための医療的な支援です。

呼吸がうまくできないことで血液中の酸素が不足し、息苦しさや疲れやすさなど日常生活に支障がある方に対して行われます。これは病院だけでなく、自宅でも継続して酸素を補うことができるようにした治療方法です。

人間の体は酸素を使って脳や心臓、筋肉など重要な臓器を動かしています。肺の機能が低下すると酸素が十分に体内に取り込めず、臓器に負担をかけ、心不全や脳卒中などのリスクも高まります。そこで在宅酸素療法により常に適切な酸素を補給することで、息苦しさを軽減し、普段の生活がしやすくなるだけでなく、臓器の負担も軽くすることができます。


どんな人が対象?(適応)

在宅酸素療法は、次のような状態の方に適応されます。

医学的基準:

  • 動脈血液中の酸素分圧(PaO₂)が55 mmHg以下
  • または酸素飽和度(SpO₂)が88%以下

といった高度の低酸素状態が認められる場合です。これに加え、睡眠中や運動時にも低酸素になる方も対象となります。

具体的な疾患:

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 肺高血圧症
  • 慢性心不全
  • チアノーゼ型先天性心疾患
  • その他の慢性呼吸不全を伴う疾患

在宅酸素療法の効果と目的

在宅酸素療法の目的は、体内に十分な酸素を補い続けることです。具体的には以下のような効果が期待されます。

息切れや呼吸困難感の軽減
日常生活の活動性の向上
睡眠中の低酸素状態の改善
心臓や脳といった臓器への負担を抑える
長期的には生命予後の改善に寄与する場合もある

特に慢性呼吸不全の方では、継続的な酸素補給による効果が確認されており、在宅でのQOL(生活の質)向上につながります。


使用する機器について

在宅酸素療法では、主に次のような酸素供給機器が使われます。

1. 酸素濃縮器

自宅の空気から酸素を取り出して濃縮し、必要な酸素を届ける装置です。比較的操作が簡単で、多くの家庭で使われています。

2. 液体酸素装置

酸素を液体の状態で貯蔵し、必要時に気化させて使用します。屋外でも使いやすい携帯型の機器と組み合わせることが可能です。

3. カニューラ(鼻腔カニューラ)

酸素はカニューラという細いチューブを鼻に装着して吸入します。

※機器や酸素の量、使用時間などは医師が診察・検査の結果に基づいて決定します。


注意すべきこと

在宅での酸素療法は基本的に安全ですが、以下のような注意点があります。

🔥 火気厳禁

火気や喫煙は絶対に避ける必要があります。 酸素は燃焼を助ける性質があり、火気のそばでは小さな火でも大きな火災に発展する危険があるからです。在宅酸素療法中のたばこや火の取り扱いには、特に厚生労働省も注意を促しています。

💊 指示された設定を守る

酸素の流量が多すぎても少なすぎても体に悪影響を及ぼすことがあるため、指定された設定や医師の指示を守ることが大切です。

🚶 転倒防止

機器の設置位置やチューブの取り扱いにも注意が必要で、転倒やつまづきの原因にならないよう工夫することも重要です。

片山クリニック
院長 矢島 秀教

  • 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本医師会認定産業医
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